認知のゆがみ
認知の歪み
認知の歪み(Cognitive Distortions)とは、認知療法(CBT)において重要な概念の一つであり、人々の考え方や信念が実際の状況と比較して不合理な形で歪んでいることを指す。これらの歪みが存在すると、個人の感情や行動に負の影響を与える可能性があり、心理的な苦痛や問題を引き起こす要因となることがある。
主な種類
認知の歪みにはいくつかの主要な種類がある。
全てまたは無に等しい思考 (All-or-Nothing Thinking)
すべてを極端に2つのカテゴリーに分類し、中間地点が存在しないと考える傾向。例えば、「完璧でなければダメ」「全てが失敗だ」という考え方が含まれる。
過大評価 (Overgeneralization)
1つの出来事や特定の経験を基に、全般的な結論を導き出す傾向。例えば、1度の失敗をもとに「いつも失敗する」という思い込みがある。
単一的否定 (Disqualifying the Positive)
肯定的な出来事や自分の成功を無視し、否定的な出来事だけに焦点を当てる傾向。例えば、多くの賞賛を受けたにもかかわらず、1つの批判に集中してしまう。
焦点化 (Mental Filter)
部分的に否定的な要素にだけ注目し、全体的な状況や経験のポジティブな側面を無視する傾向。例えば、ある出来事で1つのミスを強調し、成功した部分を見逃してしまう。
仮定 (Jumping to Conclusions)
不十分な証拠や根拠に基づいて、早急に結論を出す傾向。心理学者アーロン・ベックによれば、このタイプの歪みは「マインドリーディング」と「未来予測」として知られている。
感情的な推論 (Emotional Reasoning)
感情に基づいた推論や意思決定を行う傾向。例えば、自分が恐れているから、その出来事は危険だと思い込む。
ラベリング (Labeling)
自分自身または他者に対して、ラベルを貼ることによって、誤解を招く傾向。例えば、「私は失敗者だ」というような汎用的で過度なラベルを使用することが含まれます。
個人化 (Personalization)
自分や自分自身が起こった出来事に対して責任を負う傾向がある、