親鸞
親鸞－悪の思想
善人なほもって往生をとぐ。いはんや、悪人をや 己の存在論的悪に目覚めた人間が悪人なのだ 他者を排除し犠牲にすることによってしか生きられない自分が いまここにある事の申し訳なささを自覚すること
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親鸞（しんらん）は、鎌倉時代の日本の僧侶であり、浄土真宗の開祖です。親鸞の教えは、浄土教の一派として阿弥陀仏の本願を強調し、悪人正機説（あくにんしょうきせつ）を提唱しました。この「悪の思想」とは、以下のような親鸞の教えや思想の一部です。
悪人正機説
- 基本理念
- 親鸞は、「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」（善人ですらも極楽往生を遂げることができる、まして悪人ならばなおさらである）と説きました。この言葉は、彼の思想の核心を表しています。
- 背景
- 親鸞は、誰もが罪を犯す存在であり、自力での救済は困難であると考えました。したがって、阿弥陀仏の慈悲に全てを委ね、他力本願によって救われることが重要だと説きました。
- 解釈
1. **悪人の自覚**: 人間は本来、煩悩や欲望を持ち、罪を犯す存在であることを自覚することが重要です。この自覚が阿弥陀仏の救済を求める契機となります。 2. **他力本願**: 自らの力での修行や善行に頼るのではなく、阿弥陀仏の本願に全てを委ね、信仰によって救われることが肝要です。阿弥陀仏の慈悲は無限であり、どんな悪人であっても救われる可能性があると親鸞は信じました。 3. **謙虚さと感謝**: 自分自身の力ではなく、阿弥陀仏の慈悲により救われるという考え方は、謙虚さと感謝の心を育むことにつながります。
実践と信仰
親鸞は、形式的な戒律や修行に頼ることなく、阿弥陀仏への深い信仰を持つことが救済の鍵であると説きました。これは、浄土真宗の根本的な教義として現在も続いています。
まとめ
親鸞の「悪の思想」、つまり悪人正機説は、以下の点に要約されます： - 人間は本来、罪を犯す存在であるという自覚。 - 自力での救済は困難であり、阿弥陀仏の他力本願に頼ることが救済の道である。 - どんな悪人でも阿弥陀仏の慈悲によって救われる可能性があるという信仰。 - この信仰に基づき、謙虚さと感謝の心を持つことが重要。
親鸞の教えは、当時の厳しい戒律や自己修行に頼る仏教の教えとは対照的であり、多くの人々にとって救いの道を示すものでした。