大日如来
大日如来
大日如来(だいにちにょらい、テンプレート:Lang-sa、摩訶毘盧遮那仏)は、密教において宇宙の根本仏とされる如来である。大日とは「大いなる光明」を意味し、宇宙の真理そのものを象徴する。日本では真言密教や天台密教において中心的な存在とされる。
概要
大日如来は、仏の中でも特に最高位に位置づけられ、宇宙そのものを体現する存在とされる。釈迦如来が歴史的な人格仏であるのに対し、大日如来は宇宙法身仏として永遠普遍の真理を示す。
日本においては、平安時代に空海(弘法大師)が伝えた真言密教において、もっとも重要な本尊として信仰されている。
名称
- 「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」:サンスクリット語「Vairocana」の音写。
- 「摩訶毘盧遮那仏(まかびるしゃなぶつ)」:大いなる毘盧遮那仏を意味し、これを略して「大日如来」と称する。
姿・図像
大日如来は通常、菩提座に結跏趺坐し、智拳印(ちけんいん)や法界定印(ほっかいじょういん)を結んだ姿で表される。金色や白色の光明に包まれ、荘厳な宝冠や装飾を身に着けた菩薩形で描かれることが多い。
教義上の位置づけ
大日如来は「法身仏」と呼ばれ、釈迦如来などの応身仏や報身仏を超越する根源的存在である。『大日経』や『金剛頂経』に説かれる密教の中心的仏であり、宇宙の真理・智慧そのものを人格化した存在として理解される。
信仰
- 真言宗では本尊として大日如来を中心に据える。
- 天台宗の密教(台密)においても重要な本尊である。
- 大日如来を中心とする曼荼羅(胎蔵界曼荼羅・金剛界曼荼羅)は、密教世界観の象徴として寺院や修法で用いられる。
関連項目
- 如来
- 毘盧遮那仏
- 真言宗
- 空海
- 胎蔵界曼荼羅
- 金剛界曼荼羅