ハロー効果
ハロー効果
- 目立ちやすい特徴に惹かれて、全体的な評価をしてしまうこと
- ハロー効果（英: Halo Effect）とは、ある人や物の特定の特徴に対する評価が、他の関連しない特徴に対する評価に影響を与える現象を指します。この現象は、心理学やマーケティング、組織行動学などの分野で広く研究されています。
概要
ハロー効果は、人々が他者や物事を評価する際に、目立つ特徴（例えば、外見の良さや初対面の印象）が他の特徴に対する評価を歪めることを意味します。この影響により、全体的な評価が特定の特徴によって不当に高くまたは低くなることがあります。
特徴
- ハロー効果は、第一印象が強く影響する場面で特に顕著に現れます。
- ポジティブな特徴（例：魅力的な外見）があると、他の特徴もポジティブに評価されやすくなります。
- ネガティブな特徴（例：悪い態度）があると、他の特徴もネガティブに評価されやすくなります。
例
- 面接において、応募者が外見的に魅力的だと、その能力や性格も高く評価されることがあります。
- 商品のパッケージデザインが優れていると、その品質も高く評価されることがあります。
- 有名人の推薦があると、その商品やサービスの価値が高く評価されることがあります。
意義
ハロー効果は、人々の評価や意思決定に大きな影響を与えるため、その理解は重要です。ビジネスや教育、日常生活において、ハロー効果の影響を認識することで、より客観的で公平な判断が可能となります。
対策
ハロー効果の影響を軽減するためには、評価プロセスにおいて以下の対策が有効です。
- 客観的な評価基準を設定し、複数の評価者による評価を行う。
- 評価対象の特定の特徴だけに頼らず、多角的に評価する。
- 評価の前に自分が抱いている先入観を自覚する。
参考文献
- Thorndike, E. L. "A Constant Error in Psychological Ratings." Journal of Applied Psychology, vol. 4, no. 1, 1920, pp. 25-29.
- Nisbett, Richard E., and Wilson, Timothy D. "The Halo Effect: Evidence for Unconscious Alteration of Judgments." Journal of Personality and Social Psychology, vol. 35, no. 4, 1977, pp. 250-256.
- Kahneman, Daniel. Thinking, Fast and Slow. New York: Farrar, Straus and Giroux, 2011.