ネガティブケイパビリティ
ネガティブケイパビリティ
ネガティブケイパビリティ(Negative Capability)とは、詩人ジョン・キーツ(John Keats)によって提唱された概念で、曖昧さや不確実性を受け入れる能力を指す。この能力は、特に創造的な活動や芸術、哲学的な思索において重要である。
概要
ネガティブケイパビリティは、答えがすぐには明確でない状況や、矛盾や不確定な状態に耐える力を意味する。キーツはこの概念を1817年の手紙の中で述べ、特にシェイクスピアのような偉大な作家たちがこの能力を持っていると指摘した。彼らは物事の複雑さや曖昧さをそのまま受け入れ、それを表現することができた。
歴史的背景
ジョン・キーツは1817年12月21日に兄弟ジョージとトムに宛てた手紙の中で、初めてこの概念を提唱した。彼は、「人が不確定な状況、不明瞭さ、そして疑いの中に留まることができる能力」としてネガティブケイパビリティを説明した。
重要性
この概念は、現代の心理学や創造性の研究においても注目されている。ネガティブケイパビリティは、問題解決や意思決定の過程で、早急な結論に飛びつかず、複数の可能性を考慮する姿勢を支える。
参考文献
- Keats, John. Letters of John Keats. Harvard University Press, 1958.
- Bate, Walter Jackson. John Keats. Harvard University Press, 1963.
関連項目
- 不確実性
- 創造性
- 哲学