サイコパス
サイコパス
サイコパス(Psychopathy)とは、反社会的人格障害の一形態であり、他者への共感の欠如、感情の浅さ、自己中心的な行動、虚言癖、罪悪感や後悔の欠如などを特徴とする精神的な状態である。サイコパスは、外見上は魅力的であり、知的な印象を与えることもあるが、社会的な規範や法律に対してほとんど関心がなく、他人を操作しようとする傾向が強い。
特徴
サイコパスの主な特徴には以下が挙げられる:
- 共感の欠如: 他者の感情や痛みに対して理解や共感を示さない。
- 感情の浅さ: 喜怒哀楽の感情表現が表面的で、内面的な深みが欠ける。
- 自己中心的: 自分の利益や欲望を最優先し、他人の利益を考慮しない。
- 虚言癖: 嘘をつくことにためらいがなく、罪悪感を感じない。
- 罪悪感の欠如: 他人に損害や苦痛を与えても後悔せず、自己の行動に責任を取ろうとしない。
診断基準
サイコパスの診断は、一般に心理学者や精神科医によって行われ、ロバート・D・ヘアによる「ヘアのサイコパシー・チェックリスト改訂版(PCL-R)」が広く用いられている。PCL-Rでは、20項目にわたる行動特性や人間関係の特性を評価し、40点満点中30点以上をサイコパスの基準とする。
社会的影響
サイコパスは人口の1%未満とされているが、暴力犯罪や詐欺などの犯罪において高い割合を占めている。また、ビジネスや政治の場で成功するサイコパスもいるが、その成功は他者を犠牲にすることが多い。
治療と管理
サイコパスの治療は難しいとされており、行動療法や認知療法が試みられているが、根本的な治療法は確立されていない。社会的な管理や犯罪予防のため、サイコパスの特性を理解し、適切な対応が求められる。
関連項目
参考文献
- Hare, Robert D. "Without Conscience: The Disturbing World of the Psychopaths Among Us." The Guilford Press, 1999.
- Cleckley, Hervey. "The Mask of Sanity." 5th edition, Emily S. Cleckley, 1988.