アサーティブ
アサーティブとは
アサーティブ(Assertive)とは、自己主張のスタイルの一つであり、自分の意見や感情を率直かつ誠実に表現しながらも、他人の権利や意見も尊重するコミュニケーションの方法です。アサーティブな行動は、攻撃的でも受動的でもなく、バランスの取れた対人関係を築くために重要です。
目的
アサーティブなコミュニケーションの主な目的は、自分の考えや感情を適切に表現し、相手と良好な関係を維持することです。これにより、相互理解が深まり、建設的な対話が促進されます。
特徴
アサーティブなコミュニケーションには以下の特徴があります。
1. 明確さ
自分の意見や感情をはっきりと伝えます。曖昧な表現を避け、具体的に話すことが重要です。
2. 自己尊重と他者尊重
自分の権利や感情を尊重しつつ、相手の権利や感情も尊重します。双方が尊重されることで、対話が円滑になります。
3. 誠実さ
正直でオープンなコミュニケーションを心がけます。偽りのない態度で相手に接することが信頼関係を築きます。
4. バランス
自己主張と他者配慮のバランスを取ります。極端に自己中心的でも、過度に受動的でもないスタンスを維持します。
利点
- 自己表現が容易になる
- ストレスの軽減
- 対人関係の改善
- 相互理解の促進
- 自己肯定感の向上
技法
アサーティブなコミュニケーションを実現するための技法には以下のものがあります。
1. 「Iメッセージ」の使用
自分の感情や意見を「私は~」という形で表現します。例えば、「あなたは~」と責めるのではなく、「私は~と感じる」と言うことで、相手に対して非攻撃的に自己主張ができます。
2. 具体的な表現
曖昧な言葉ではなく、具体的な事実や感情を伝えます。例えば、「いつも」や「全然」ではなく、具体的な出来事や状況を説明します。
3. 相手の立場を理解する
相手の意見や感情を理解し、受け入れる姿勢を示します。共感を示すことで、相手も自己主張しやすくなります。
4. 繰り返し
必要に応じて、自分の主張を繰り返します。これは「壊れたレコード法」にも通じる技法です。
例
以下にアサーティブなコミュニケーションの例を示します。
例 1: 職場での自己主張
同僚:「このプロジェクトを手伝ってくれませんか?」 アサーティブな応答:「今は他の仕事で手一杯ですので、手伝うことができません。ただ、来週になれば時間が取れるかもしれません。」
例 2: プライベートな場面
友人:「今夜一緒に飲みに行かない?」 アサーティブな応答:「今日は疲れているので、家で休みたいと思います。別の日に行くのはどうでしょうか?」