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2024年6月18日 (火) 03:25時点における版
八正道
八正道(はっしょうどう、Eightfold Path)は、仏教の基本的な教義の一つであり、苦しみを終わらせるための実践的な道を示すものである。これは四諦の一部であり、具体的な修行の道を示している。
概要
八正道は、釈迦(シッダールタ・ゴータマ)によって説かれた教えであり、正しい理解と行いによって苦しみを克服し、悟りに至るための八つの道を指す。
八つの道
八正道は以下の八つの要素から成り立っている。
- **正見(しょうけん、Right View)**
* 正しい見解、物事の本質を正しく理解すること。四諦や因果の法則を理解する。
- **正思(しょうし、Right Intention)**
* 正しい意図、思考。執着や怒り、害意を離れ、善意と思いやりの心を持つこと。
- **正語(しょうご、Right Speech)**
* 正しい言葉。嘘をつかない、中傷しない、粗野な言葉を使わない、無駄話をしないこと。
- **正業(しょうごう、Right Action)**
* 正しい行為。殺生を避け、盗みを働かず、不貞を犯さないこと。
- **正命(しょうみょう、Right Livelihood)**
* 正しい生活。人を害することなく、正しい方法で生計を立てること。
- **正精進(しょうしょうじん、Right Effort)**
* 正しい努力。悪い状態を避け、善い状態を育て、持続させるために努力すること。
- **正念(しょうねん、Right Mindfulness)**
* 正しい気づき。身体、感覚、心、法(ダルマ)についての気づきを持ち、常に現在の瞬間に注意を払うこと。
- **正定(しょうじょう、Right Concentration)**
* 正しい集中。瞑想によって心を一つの対象に集中させ、深い心の静寂と明晰さを得ること。
実践
八正道は、仏教徒が日常生活において実践するべき指針として位置付けられている。これらの道は相互に関連し合い、統合的に実践することで、苦しみの原因を取り除き、悟りに至ることを目指す。
影響
八正道は、仏教の修行と倫理の基礎として、アジア全域の仏教徒に広く実践されてきた。また、現代においても、マインドフルネスや倫理的な生き方の指針として注目されている。
参考文献
- Gethin, Rupert. The Foundations of Buddhism. Oxford University Press, 1998.
- Thich Nhat Hanh. The Heart of the Buddha's Teaching. Broadway Books, 1999.
- Rahula, Walpola. What the Buddha Taught. Grove Press, 1959.