自働化 (トヨタ生産方式)

自働化（じどうか、英: Jidoka）は、トヨタ生産方式（TPS: Toyota Production System）の重要な概念の一つであり、機械が異常を検知した際に自動的に停止する仕組みを指す。自働化は「人が介在しない自動化」とは異なり、「人が介在する自動化」を意味し、品質管理と効率性の向上を目的としている。

定義

自働化とは、機械やプロセスが異常を検知した際に自動的に停止し、人間が問題を確認して対処することを可能にするシステムである。これにより、不良品の大量生産を防ぎ、品質を保証することができる。

歴史

自働化の概念は、トヨタグループの創業者である豊田佐吉によって初めて導入された。彼の発明した自動織機は、糸が切れると自動的に停止する機能を持っていた。これにより、欠陥のある布地の生産を防ぎ、品質を保証することができた。この考え方は後に、彼の息子である豊田喜一郎によってトヨタ自動車の生産ラインに応用された。

主要概念

自働化にはいくつかの基本的な概念がある。

異常検知

機械が自動的に異常を検知し、問題が発生した際に即座に停止する機能。

自動停止

異常を検知した際に、機械が自動的に停止し、不良品の大量生産を防止する。

人間の介入

機械が停止した後、人間が問題を確認し、原因を特定し、対処する。

改善

自働化のプロセスで発見された問題を改善し、再発防止策を講じること。

応用例

トヨタ生産方式における自働化の具体的な応用例を以下に示す。

自動車製造

トヨタの生産ラインでは、各工程で異常を検知するとラインが自動的に停止し、作業者が問題を確認して対処する。このプロセスにより、不良品が次の工程に流れることを防ぐ。

織機

豊田佐吉が発明した自動織機は、糸が切れると自動的に停止する機能を持っており、これは自働化の初期の例である。

自働化のメリット

品質の向上: 異常を早期に発見し、不良品の生産を防止。
コスト削減: 不良品の削減により、材料と労力の無駄を削減。
効率の向上: 問題を迅速に特定し、改善することで生産ラインの効率を向上。