量子もつれ
量子もつれ
量子もつれ(りょうしもつれ、英: Quantum entanglement)とは、量子力学において複数の粒子が互いに強く関連し合い、その状態が他の粒子と分離して記述できない現象を指す。この関係性は、空間的に離れていても保持され、ある粒子の状態を観測することで他の粒子の状態も即座に確定するという特徴を持つ。
概要
量子もつれは、量子力学の非局所性を示す典型的な現象であり、アインシュタイン、ポドルスキー、ローゼンによるEPRパラドックスの議論で提起された。この議論は、量子力学の完備性に疑問を投げかけ、ベルの不等式の実験的検証を通じてさらに研究が進められた。
特徴
量子もつれの主な特徴は以下の通り:
- **非局所性**: 空間的に離れた粒子間で、情報が伝達されることなく相関が現れる。
- **状態の相関**: 粒子の状態は、個別には確率的にしか決定されないが、もつれたペアとして観測すると強い相関がある。
応用例
量子もつれは現代の多くの技術や研究分野に応用されている:
- 量子コンピュータ: 計算能力を飛躍的に向上させる基盤技術。
- 量子暗号: 高い安全性を持つ通信方式。
- 量子テレポーテーション: 粒子の量子状態を遠隔地に転送する技術。
実験と検証
量子もつれを実証するための多くの実験が行われており、その中でもアスペらによる実験は重要なマイルストーンとなっている。これにより、ベルの不等式が破れ、量子もつれの存在が確認された。