「ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)と森田療法の総合ガイド」の版間の差分

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(相違点なし)

2025年7月21日 (月) 20:21時点における版

ACTと森田療法の総合ガイド

概要

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)と森田療法は、どちらも「感情との共存」「価値に基づいた行動」を重視する心理療法である。本ガイドでは両者の違いや共通点を明らかにし、実践例・図解・診断・ワークブックを通じて、自分に合った方法を探る手助けをする。

共通点と違い

ACTと森田療法の比較表
観点 ACT 森田療法
感情の扱い アクセプタンス(受容) あるがまま(自然受容)
考えとの関係 脱フュージョン(距離をとる) 考えを変えようとしない(観察に留める)
行動 価値に沿った行動 目的本位の行動
実践方法 マインドフルネス、ワーク、対話中心 静養、作業、日記中心
背景理論 現代行動療法(RFT・仏教) 日本の東洋哲学(禅・自然主義)

各技法の図解

ACTの技法図解

1. 脱フュージョン
 思考と距離をとる練習:
 例:「私はダメだ」→「私は『私はダメだ』という思考を抱いている」

 <図解イメージ>
  [思考] →(距離)→ [観察者の自分]

2. アクセプタンス
 不快感や感情をそのまま受け入れる:
 - 「不安をなくす」のではなく「不安と共に行動する」

3. 価値明確化
 自分の人生で本当に大切にしているものを特定する:
 →「家族」「誠実さ」「学び」など

4. コミットメント
 価値に沿った行動に踏み出す:
 → 「週に1回、ありがとうを言う」「孤独でも人と話す」

森田療法の技法図解

1. 初期静養
  目的:心身を自然に休ませる
  状態:「何もしない」時間を意図的につくる

 <図解イメージ>
  [症状] →(抵抗しない)→ [自然回復]

2. 作業療法
  単純作業で注意を外へ向ける:
  → 庭仕事・拭き掃除・皿洗い など

3. 日記療法
  感情・行動・症状の変化を客観視する
  → 自分を観察する習慣をつける

4. 目的本位の行動
  「症状があるからできない」ではなく、「目的に従って行動する」
  → 例:「不安でも仕事に行く」「頭痛があっても外に出る」


まとめ

どちらのアプローチも「感情との付き合い方」を学ぶための実践的な方法であり、対立するものではない。自分に合うスタイルやタイミングで、柔軟に取り入れるのが最善である。

関連文献

  • スティーヴン・C・ヘイズ著『ACTをはじめよう』(星和書店)
  • 岡本浩一著『あるがままに生きる 森田療法入門』(ちくま新書)
  • 紀伊國屋書店編集部『図解 森田療法』(PHP研究所)