講談

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講談

講談(こうだん)は、日本の伝統的な話芸の一つであり、物語を語り手が聴衆に対して話す芸能である。江戸時代から明治時代にかけて発展し、現在も多くの講談師によって演じられている。

歴史

講談の起源は、平安時代の「説経節」や「講釈」にさかのぼることができる。江戸時代に入り、講談は庶民の娯楽として広く普及した。当初は、歴史物語や武勇伝などが中心であったが、次第に怪談や現代的な題材も取り入れられるようになった。

形式と特徴

講談は、講談師が高座に座り、一枚の台(膝台)を叩きながら話を進めるのが特徴である。講談師は、声の強弱やテンポ、表情、ジェスチャーなどを駆使して、物語の臨場感を高める。講談の話題は多岐にわたり、歴史上の人物や事件、民話、現代の出来事などが含まれる。

主な講談の題材

講談で扱われる主な題材には、以下のようなものがある。

  • 歴史物 - 「赤穂義士伝」、「真田十勇士」など、歴史上の事件や人物に関する物語。
  • 武勇伝 - 「宮本武蔵」、「坂本龍馬」など、剣豪や武士の活躍を描く物語。
  • 怪談 - 「番町皿屋敷」、「四谷怪談」など、幽霊や怪異を扱った物語。
  • 現代物 - 近代や現代の出来事や人物を題材にした物語。

講談師

講談師は、特定の師匠から直接指導を受けることで育成される。修行期間を経て、一定の技術を身につけると「真打」や「二つ目」などの称号を与えられる。著名な講談師には、以下の人物がいる。

  • 神田松鯉 - 現代の名講談師の一人であり、数多くの弟子を持つ。
  • 神田伯山 - 人気講談師であり、テレビやラジオでも活躍している。
  • 一龍斎貞水 - 女性講談師として知られ、幅広い題材を扱う。

現在の講談

現在も講談は伝統芸能の一つとして、多くの人々に愛されている。東京や大阪などの寄席で定期的に公演が行われており、講談師たちは新しい題材や表現方法を取り入れながら、講談の魅力を広めている。また、インターネットやメディアを通じて、若い世代にも講談の楽しさが伝えられている。

参考文献

  • 三遊亭円朝 (1990). 円朝全集. 岩波書店.
  • 森田哲朗 (2002). 講談の歴史. 青空社.