心理療法
認知バイアス
認知バイアス（Cognitive bias）は、人間の思考や意思決定において系統的に誤りを生じさせる思考パターンです。これらのバイアスは、経験や教育、感情、自己利益などによって影響を受けることが多いです。
主な認知バイアス
以下に代表的な認知バイアスをいくつか紹介します。
確証バイアス（Confirmation Bias）
自分の信念や仮説を支持する情報を優先的に探し、反証する情報を無視または軽視する傾向です。
アンカリング（Anchoring）
最初に得た情報（アンカー）に強く影響され、その後の判断や意思決定に偏りが生じる現象です。
利用可能性ヒューリスティック（Availability Heuristic）
直近で思い出しやすい情報や目立つ情報に基づいて判断を行う傾向です。
確率の誤謬（Gambler's Fallacy）
独立した確率事象において、過去の出来事が将来の確率に影響を与えると誤って信じる傾向です。
自己奉仕バイアス（Self-Serving Bias）
成功は自分の能力や努力に起因し、失敗は外部の要因に起因すると考える傾向です。
認知バイアスの影響
認知バイアスは日常生活や仕事、経済、政治など様々な場面で影響を及ぼします。例えば、投資判断において確証バイアスが働くと、自分の選択を正当化する情報のみを重視し、リスクを過小評価する可能性があります。
認知バイアスの対策
認知バイアスを完全に排除することは難しいですが、以下のような方法でその影響を減少させることができます。
- **複数の視点を取り入れる**: 異なる視点や意見を積極的に取り入れることでバイアスの影響を軽減します。
- **データに基づく意思決定**: 感情や直感ではなく、データや事実に基づいた意思決定を行うことを心がけます。
- **自己反省**: 自分の判断や信念がバイアスの影響を受けていないかを定期的に振り返ります。
関連項目
参考文献
- Kahneman, D. (2011). Thinking, Fast and Slow. Farrar, Straus and Giroux.
- Tversky, A., & Kahneman, D. (1974). Judgment under Uncertainty: Heuristics and Biases. Science, 185(4157), 1124-1131.