ヴィパッサナー瞑想
ヴィパッサナー瞑想
ヴィパッサナー瞑想（ヴィパッサナーめいそう、テンプレート:Lang-pi、テンプレート:Lang-sa）とは、仏教における瞑想法のひとつであり、「観（かん）」に分類される実践である。対象をありのままに観察することで、無常・苦・無我といった仏教の根本的な真理を体験的に理解することを目的とする。
概要
「ヴィパッサナー」とは、パーリ語で「明確に見る」「洞察する」という意味を持つ。サマタ瞑想（止、集中を培う瞑想）に対して、ヴィパッサナー瞑想は観察と気づきを重視する。特に上座部仏教で体系化され、現代では在家修行者にも広く実践されている。
方法
ヴィパッサナー瞑想の方法は伝統や流派により異なるが、基本的な枠組みは以下の通りである。
- 呼吸、身体感覚、思考、感情などを対象として観察する。
- 起こる現象を「無常」「苦」「無我」として理解する。
- 判断や執着を加えず、ただ「気づく」ことを繰り返す。
- 現象は生起しては消滅するものとして観察する。
効果
- 心の動きや身体感覚に対する洞察が深まる
- 執着や妄想を減らす効果があるとされる
- 四諦や八正道の理解を体験的に促進する
- 精神的な安定や解脱に至る道とされる
歴史
ヴィパッサナー瞑想は、初期仏教に起源を持ち、パーリ語経典（特に『サティパッターナ・スッタ』）にその実践の根拠が見られる。近代以降は、ビルマ・タイ・スリランカなどの上座部仏教圏で再興され、西洋や日本を含む世界各地に広まった。
関連項目
- 瞑想
- サマタ瞑想
- 数息観
- 四念処
- 上座部仏教
- 止（サマタ）と観（ヴィパッサナー）の比較